精神医学とは、こころの異常、すなわち精神障害の原因を追求する学問ですが、その前提には、心とは何か、いわば人間の知・情・意と言われる精神の働きが、解明される努力がなされねばなりません。したがって精神医学は、正常・異常の区別なく、広く人間の精神現象全体を対象とする医学と言えます。
精神医学では、しばしば診断に時間を要することがあります。それは対象とする精神現象が、身体的な諸現象のように、目でたしかめ、客観的にとらえ、計測し、数値で記録・表現できないことにも起因しています。人間のこころというものは物体として見て測定できるものではなく、人間理解というものには宿命的な制約があるものと考えられます。
現在では、精神科医療の扱う領域は、きわめて広くなっており、性格と環境に基づいて起こるさまざまなストレス・心理的反応・情緒障害や各種の身体的疾患に起因する精神症状、職場のメンタルヘルス、高齢化に伴う高齢者の精神疾患の増加、等々、精神科医療が、社会に求められる役割は、これまでになく大きくなっています。
このような「こころの時代」に真摯に対応する精神科医療こそ、人間全体の理解と社会の福祉向上につながるものと私たちは信じています。
いまむら病院では、次のようなカテゴリーの精神疾患・障害に対応しています。
- 老年期精神障害
もの忘れ
認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症 等々)
老年期うつ病 老年期妄想症 - 統合失調症
- 躁うつ病
- 不眠症
- うつ病(抑うつ神経症)
- 症状精神病
甲状腺機能障害等の内分泌疾患に起因する精神症状
頭部外傷後遺症による精神症状